DVがあっても別れられないのはなぜ?

夫婦の間でひどいDVがあった場合でも、なかなか別れることができないのは、 ある程度想像がつく方も多いと思います。
子どもがいたり、 経済的な問題(専業主婦で仕事についたことがない、子どもの教育費がかかる、生活の維持のためなど)、

離婚や1人親家庭への偏見を恐れる、 緊急避難で妻子が身を隠すことにより今までの地域での人間関係を一切失ってしまう、

といった理由は、 自分の身に置き換えてみれば、理解しやすい理由でしょう。
しかし、共働きの夫婦で、経済的な問題がなくても、 離婚に踏み切れない場合もとても多いのです。
激しい暴力をうけて、いったんは逃げ出しても、 また、夫のもとへ戻っていく人が多いのも事実です。
長年生活を共にしてきた夫への「愛情」や、子どもには父親が必要という社会的な通念にしばられていることもあります。
また、長年にわたってDV被害を受けてきたことで恐怖感が強く、一種のマインドコントロールの状況になり、

どこへ逃げても見つけられてしまうと思い込んでいたり、自分で判断したり、 決心したりする心の余裕がない状況にあったりします。
また、夫婦とは多かれ少なかれこういうものだ、妻や嫁といった立場は我慢が大事だ、 そのうち夫も変わってくれるかもしれないと、

根拠のない希望をもってしまうなど、 いろいろな心の動きがあります。


また、DVの特徴として、暴力のサイクルがあるといわれ(レノア・ウオ-カー1976)、 ひどい暴力の後、反省して謝罪したり、

とてもやさしくなる場合があり、 そのため被害者が混乱し、やさしい時の夫のほうが本質だと思いたい気持ちになることも多いのです。

加害者側からみれば、アメとムチの使い分けで、被害者をコントロールしていることになります。

このように、暴力を受けた被害者がなかなか別れることを選択できないために、周囲からは、「自分で望んで一緒にいる」「相手のことを

やっぱり好きなのだ」「別れる気が無い」などと思われることも多く、支援機関などにつながらない場合があります。

本人が相談できない場合でも、友人として、相談機関に相談してみることも必要だと思います。

ほとんどの相談機関は、匿名でも相談を受けているので、友達や親戚の例だがと断って、話してみてもよいのではないでしょうか。