デートDVとは、デートをするカップル、つまり結婚していないカップルの間に起こる暴力のことです。
暴力には、
・殴ったり、たたいたりして体を傷つける<からだへの暴力>
・ばかにしたり、無視したりして心を傷つける<こころへの暴力>
・同意なくキスやセックスをするなどの性に関する<性的暴力>
・お金を借りて返さないなどのお金に関する<経済的暴力>
などがあります。
暴力は相手を傷つけます。
また、暴力によって相手の行動を制限もします。
「殴られた・怒られたので、これはしない」と、したかったことを取りやめたり、
「こういうことをしたらパートナーが、殴る・怒るかもしれない」と、したいことができなかったりということがあります。
暴力は、受けた時だけではなく、受けていない時にも、自分らしく行動することができないことにもつながります。
わたしらしく生きていく権利を奪うものです。
従来、DVは夫婦間だけの問題と思われがちでしたが、実際には若いカップルにすでに存在し「デートDV」と呼ばれています。
DV防止ながさきでは、男女の交際が始まる中・高校生の早い時期に男女関係について考えることにより、深刻な被害や加害を予防できるようにしたいという思いから、2004年より直接学校へ出向いて実施する出前授業「デートDV防止授業」を実施しています。
また、保護者・教職員対象の講演会も実施しています。
授業や講演会のご依頼・お問い合わせは、当会へご連絡ください。自治体等での予算で、学校の負担なく行うことができる場合もあります。
授業は、講話とワーククショップ、アンケートなどで構成しています。
ワークショップでは、対等でない関係の事例をロールプレイで演じたり、自分の気持ちに気づくことや伝えることを行います。
予防教育のテキストはご希望の方にお分けしています。[資料]内の「新版デートDV予防教育テキスト」をご覧ください。
デートDV防止のための出前授業は2004年度から実施してきました。
2022年度末までに、長崎県内で中学校579回・のべ6万8838人、高校(高専含む)711回・のべ16万6624人の生徒たちへ授業を届けてきました。
授業時にはアンケート調査を実施しています。
2022年度のアンケート調査の結果では、
交際経験のある高校生女子は46.8%、高校生男子は43.2%となっています。
交際経験のある生徒の中での被害経験は
メールチェックなど(女子10.2%、男子5.4%)
精神的暴力(女子4.8%、男子3.0%)
身体暴力(女子1.0%、男子0.4%)
性的暴力(女子2.4%、男子1.3%)
となっています。
また、「交際相手のことを、怖いと感じたことがある」という生徒は女子10.0%、男子6.7%となっており、女子のほうが、交際相手に恐怖感をもつ割合が高くなっています。
自由記述欄には、生徒たちから、
「自分の身の回りでもおきそうだなと思った。自分がその立場になった時に、どんな反応をするのか考えるきっかけになった。」
「DVの加害者にも被害者にもならないよう気をつけたい。」
「相手に悪いことをしていたなと反省することができた。」
「自分の家庭には暴力があるけれど、それは子どもがつらいという話を聞けてうれしかった。」
などの感想が寄せられています。
対等な関係の中では暴力は起こりません。
男女が互いを尊重し、対等な人間関係を作っていくために、 デートDV防止授業は、とても重要な役割を果たすのではないかと考えます。
・ブックレット「デートDV予防教育テキスト」
2005年、長崎県補助事業で実施したデートDV防止授業や高校生・大学生のアンケート結果などをまとめたブックレット「デートDVを知っていますか?」を作成。
2008年、「新版 デートDVを知っていますか」を作成。
2013年、「デートDV予防教育テキスト」として大幅に刷新。
2023年、「新版 デートDV予防教育テキスト」として作成。
・ハンドブック「あなたと私の心とからだを大切にするために」
2007年、中高校生に手にとって読んでもらいたいと願い、 イラストいっぱいの小さなハンドブック
「あなたの心と体を守るために」を作成。予防教育の際に中学校、高校へ配布。
2008年、リニューアルしたハンドブック「あなたと私の心とからだを大切にするために」を作成。
上記の資料は[資料]のページにて詳しくご紹介しています。
長崎県より事業の委託を受け、若い世代のDVの予防及び地域におけるDV防止啓発のために、「長崎県DV防止教育指導者養成事業」を実施(2010~2013年度)し、その後、DV防止ながさきの独自主催や、県の委託事業として毎年、夏休みにスキルアップ講座を実施しています。2020年度。2021年度はコロナ対策のため、オンライン講座を実施しました。毎年、夏に予定しています。7月始めには予定をHPに掲載する予定です。
遠方からでもご参加お待ちします。
2018年8月、全国でデートDVの予防活動をしている団体がつながり、デートDV防止全国ネットワークが設立されました。
詳細は、[デートDV防止全国ネットワーク]をご覧ください。
・ながさきパートナーシップ創造事業「デートDV防止プログラム」
2004年10月~2005年3月には、長崎県補助事業としてデートDV防止授業を4大学8高校にて実施。この時のアンケート結果により、デートDVがかなりの高率であることがわかり、若者への啓発に力を入れはじめました。
・ファイザープログラム助成事業
2006年、ファイザー株式会社の「心とからだのヘルスケアに関する市民活動支援」の助成対象に選ばれ、 離島郡部の高校生へのデートDV防止授業を無料で実施。 2007年、2008年も引き続き助成対象となり、これによって、県内各地の離島郡部の高校生へのデートDV防止授業と、「デートDV防止教育のためのブックレット」の製作及び県内各地での支援ネットワーク作りを助成いただきました。
・長崎ロマン遊技事業協会市民活動支援金
2007年~2009年の3年間、支援金をいただき、中高校生のためのハンドブックの作成、授業の実施に、支援をいただきました。
・長崎県DV予防教育実施事業
2013年以降は、長崎県の委託授業として、離島郡部を中心とした地域の中学校や高校へ、予防教育を届けています。
・自治体の主催でも実施
長崎市、佐世保市、大村市、諫早市、壱岐市、長与町など、自治体が主催して、DV防止ながさきへ講師派遣依頼をし、予防教育を実施するところが増えてきています。
学校などで実施を希望される場合は、お住いの自治体の男女共同参画担当部署や教育委員会へご相談ください。学校負担無しで実施できる場合が多いです。
・国際ソロプチミストの支援で実施
国際ソロプチミスト長崎では、2005年から、積極的に長崎市内の高校での予防教育実施を支援していただいています。
その支援の輪が広がり、県内では、国際ソロプチミスト佐世保、国際ソロプチミスト諫早、国際ソロプチミスト佐世保パール、国際ソロプチミスト大村などで、積極的に予防教育への支援をいただいています。
以上のような、さまざまな団体、自治体の協力により、多くの学校で授業を実現できており、全国的にも画期的な予防教育実践県となっています。
これからの課題は、予防教育を県内どこでも、すべての生徒が受けられるように、予防教育を実施する人材を増やしていくことです。
もちろん内容の充実も必要です。毎年、教材を吟味して更新し、指導者養成のためのスキルアップ講座を開催しています。
(公財)日工組の助成金、赤い羽根特別募金でハンドブックを増刷!
DV防止ながさきでは、予防教育の授業を受けた生徒達に、無償でハンドブックを渡しています。
中高校生に好評な予防教育のハンドブックですが、実は、手触り、大きさ、内容にこだわりを持って作成しているため、とても費用が掛かります。
これまでも、無償で配布できるように、長崎遊技事業協会、長崎県男女共同参画室や長崎市、各地の国際ソロプチミストなどの協力で部数を確保してきましたが、年間1万5千人以上の生徒達へ配布を行うようになり、経費がまかなえず実質赤字のことも多くありました。
2018年度は(公財)日工組の助成金で、2020年度は、赤い羽根特別募金への皆様のご協力で、中高校生へのハンドブックを改訂印刷することができ、感謝申し上げます。
これらの助成金で作成したハンドブックの裏面には「日工組社会安全財団県域安全事業の助成により作成」「赤い羽根特別募金により作成」と明記しています。
【電話相談】
095-832-8484(月・水・土曜:13時~20時)
080-2794-8022(火曜日:17時~20時)
NPO法人DV防止ながさき
〒850-8799 長崎中央郵便局私書箱第7号
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